日本エコミュージアム研究会

Japan Eomuseological Society

 
 

メルマガ199号

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日本エコミュージアム研究会メールマガジン   199号   <2025.07.05>
発行人:馬場憲一  編集:中野喜吉
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【目次】
1. 2025研究大会開催のお知らせ
2.シンポジウム「地域をみせる~『街かど博物館』が物語る小田原~」報告
3.事務局からのおしらせ
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1.2025研究大会開催のお知らせ
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日本エコミュージアム研究会では、今年度の研究大会を開催いたします。会員
の方はもちろんのこと、会員以外の方でご関心ある方もお誘いください。

■1.日 時:2025年7月19日(土) 13時~16時30分

■2.会 場:リモートによるオンライン研究会(Zoom使用)として実施します

■3.プログラム:

13:00 開会のあいさつ (馬場会長)

13:05 プログラムの説明 (井上 敏)

(各発表20分、質疑15分〈交代・準備時間含む〉)

●13:10 発表1
共同発表者:中原愛・大本武・黒島健介(広島大学けんさん部)

タイトル:
「特別名勝三段峡での野外博物館活動における学生の役割について」

要旨:
広島県安芸太田町に位置する三段峡は、国の名勝並びに西中国山地国定公園に
指定されている。2019年度、広島大学の地域貢献事業を契機に本学の教員・学
生と現地のNPO法人が「三段峡ミュージアム構想」を始動し、現在は「広大さん
けん部」として野外博物館の活動が継続中である。
大学から約60km離れた三段峡に学生が通い、現地の関係者と共に観察会や生物
調査など野外博物館の取り組みを実施している。
本報告ではその活動の系譜と学生の役割を明らかにする

●13:45 発表2
発表者: 趙 孫暁(広島大学大学院人間社会科学研究科)

タイトル:
「エコミュージアム的アプローチによる伝統村落の資源再解釈とキーパーソン
の機能ー中国雲南省鳳翔村の保全実践から」

要旨:
中国における伝統村落は、「農村の歴史と文化の生きた化石」として位置付け
られており、2012年以降、国家レベルでの伝統村落保全事業の推進により、各
地で多様な保全および活用の取り組みが展開されている。本研究では雲南省の
ペー族の伝統村落・鳳翔村に注目し、エコミュージアム的アプローチによる保
全実践を事例として取り上げる。とりわけ、参与観察および関係者へのインタ
ビュー調査を通じて、地域資源がどのように再解釈・再構築されるのか、
またその過程においてキーパーソンがどのように位置づけられ、機能している
のかを明らかにする。

14:20 休憩(10分)

●14:30 発表3
発表者: 中原薫(京都芸術大学大学院芸術研究科研究員)

タイトル:
「美術館のエコミュージアム化の取組―具体フィールドミュージアムを中心に」

要旨:
兵庫県芦屋市を発祥とする芸術グループ「具体美術協会(1954-1972)」は、芦
屋公園の松林で1955年に「真夏の太陽にいどむ野外モダンアート実験展」を皮切
りに活動をスタートした団体である。兵庫県阪神南県民センターでは、2025年4
月から具体フィールドミュージアムを開始し、インターネット上での作品公開や
ゆかりの地を巡るマップやまち歩きのモデルコース作成などの活動を実施してい
る。昨年芦屋市立美術博物館で開催された具体出身の美術家今井祝雄氏の個展
「今井祝雄―長い未来をひきつれて」では、美術館で展示することが困難なパブ
リックアート作品について製作者自身が4箇所の作品を説明しながら鑑賞するツ
アーイベントも実施されている。昨年イベントに参加した体験を中心に、今井祝
雄氏の直近インタビュー調査を交えながら、美術館のエコミュージアム化の取組
の今後を展望する。

●15:05 発表4
発表者: 馬場憲一(法政大学エコ地域デザイン研究センター)

タイトル:
「自治体が取り組んでいる「(地域)まるごと博物館」の課題と可能性について
-当該博物館の構想・計画とその取り組みを踏まえて-」

要旨:
2000年代以降の日本においては自治体によって構想・計画され取り組まれてき
ている「(地域)まるごと博物館」と称する事業がある。それら事業の多くはエ
コミュージアムの考え方を取り入れ構想され行われてきている。本発表ではそ
れらの事業の構想や計画、さらに取り組まれている内容などその実態を明らか
にし、「(地域)まるごと博物館」の地域博物館(ミュージアム)としての課題と
可能性について考察していくことにする。

15:40 発表に対する全体での意見交換

16:10 まとめ

16:25 事務連絡(今後の予定など)・閉会のあいさつ(菊池事務局長)

16:30 終了

■4.参加費:無料(本研究会会員の有無に関わらず)

■5.参加定員:100名(定員を超える申し込みがあった場合は本研究会会員を
優先し、非会員は先着順とします)

■6.参加申込み:事前申込が必要です。

事前申込はこちらからお願いします。

https://forms.gle/3MhHHPVHdgEfDheY7

*参加申込みの締切りは7月17日(木)23時59分とします。*

当日のZoomへの接続先は事前に申し込みをいただき、定員内で参加が認められた
方のみにお知らせいたします。
お届けいただいたメールアドレスにお送りいたします。
3日前までメールが届かない場合は事務局
E-mailアドレス jimu@jecoms.jp までご連絡ください。

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2.シンポジウム「地域をみせる~『街かど博物館』が物語る小田原~」報告
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大山由美子

6月21日に、日本展示学会シンポジウムが神奈川県立生命の星・地球博物館で
開催されました。JECOMSは後援をしましたので、ご報告します。

今回のシンポジウムは、小田原市と台湾周南市の「街かど博物館」活動を通
して、「地域をみせる展示」の魅力を再発見します。小田原「街かど博物館」
の木工や寄木細工、かまぼこや干物などの名産物が生まれる背景には、自然環
境(火山・相模湾・早川・酒匂川・地下水・多雨・温暖)、歴史・文化的な要
因があります。行政とともに住民が主体となって活動する小田原「街かど博物
館」は、人と環境とのかかわりを探る博物館であるエコミュージアムの一つと
考えることができます。また、台湾の周南市大渓木芸生態博物館(以下、木博
館)は、設立にあたり、小田原「街かど博物館」も参考にしていました。

特別講演では「地域をみせる―街角博物館と共に物語る大渓木博館―」につ
いて、邱君妮氏(国立民族学博物館 機関研究員)によるお話しがありましたの
でご紹介します。大渓木博館学芸員の林依静氏と温欣琳氏もオンラインで登壇
されました。周南市は工業都市でもありますが、大渓区は伝統的な木工芸と歴
史的な街並みで知られる地域です。木博館はオープンして10周年になります。
台湾では民主化に伴い多文化共生が社会の共通価値として形成されるなか、博
物館の社会的役割が変革・拡大されました。木博館はこのような背景のなかで、
人々の協働参画、地方文化の振興という博物館の新しい役割を担っています。
住民の主体性・自立性と専門家との協働性が高く、これが木博館のエコミュー
ジアム活動の基盤となっています。

木博館の特徴は館運営の「博物館」と住民運営の「街角館」で構成されてい
て、現在、11の施設と33の街角館があります。木博館と地域住民による協働の
取り組みは、一つは街角館および行動共学のパートナー、次に現地保存プロジ
ェクト、そして伝統的祭礼文化の保存・振興活動です。

最後に、市民と協働する博物館の可能性について4点がまとめとして紹介され
ました。
①「ヒト」を中心に変革できる組織作り:常に地域住民のニーズを把握でき、
より包摂的で協働的な博物館活動を展開するための制度改革を実施しました。
②「共学」が象徴する協働の意義:木博館は「共学」という博物館活動の中核
概念を構築し、地域住民と直接話し合い、博物館関係者の役割も「指導」か
ら「支援」及び「共に学ぶ仲間」に変化します。
③地域に広がる「フォーラム」:街角館活動では、博物館関係者、地域住民、
来館者が「展示をする側」「展示をされる側」「展示を見る側」という3つの
立場を持ち、日常生活の中で博物館活動を行う機会を創出します。
④権利の共有と文化間の対話:木博館は、博物館の収集、展示、解釈、教育普
及活動の権利を地域住民と共有しており、資源やノウハウの共有を通じて、
市民ミュージアムリテラシー(自立性、主体性、包摂性、協働性)の育成を
図っています。これは「地域住民参画型博物館」の実現です。

このように、台湾の木博館では住民の参画する博物館活動が街角館であり、
エコミュージアムが基本とする住民参加により、固有の自然環境・社会環境か
ら生まれた活きた技術・熱意を展示することで、保存・継承が図られていきま
す。小田原「街かど博物館」でも、住民が運営する「なりわい文化」を展示す
ることで、魅力を高めています。今年の8月には、拠点となる「小田原宿なりわ
い交流館」がリニューアルオープンします。是非、小田原を実感する「街かど
博物館」へも訪れてみてください。               (大山)

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3.事務局からのおしらせ
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≪以下は毎号同じです。≫
▼会員の皆さん、それぞれの持ち場での活動の「ひとコマ」をご紹介下さい。
また、掲載された記事に対してのご意見、ご質問もお寄せ下さい。
メルマガを待って読んでいただけるよう内容を充実させるのも会員お一人お一
人のご参加が決め手です。ご投稿いただきたい記事として

1.ご自分の地域、あるいは訪問した「各地の活動から」
2.皆に知らせたい「行事予定のご案内・参加募集」
3.過去に訪れた場所への「気になる地域へのお伺い(質問)」
4.今後「会に望む活動」等など、特にテーマを絞りませんのでどしどし投稿
下さい。

▼ 会員外も含む、エコミュージアムに関心をお持ちの方々の情報交換の場と
してのメーリングリスト[エコミュージアムML]があります。
会員外も参加いただけますので、お知り合いにもご紹介ください。
1.お名前(本名)
2.E-mailアドレス
3.お住まいの都道府県名を事務局までお知らせください。

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