日本エコミュージアム研究会

Japan Eomuseological Society

 
 

Archive for 5 月, 2015

メルマガ91号

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日本エコミュージアム研究会メールマガジン 91号   <2015.03.20>
発行人:吉兼秀夫  編集:中野喜吉
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今年は、JECOMS設立20周年です。その事業の一環として海外研修旅行を企画い
たしました。ご一緒して、共に学びたいと思います。お知り合いにもお声掛け
いただき有意義なものにしたいと思います。
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【目次】
1.フランス方面・研修旅行案内(概略)
2.被災地とエコミュージアム
3.事務局からのお知らせとお願い
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1.フランス方面・研修旅行案内(概略)
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今夏、フランス方面へのエコミュージアム研修旅行を計画しました。
詳細は、決定次第にJECOMSのホームページ www.jecoms.jp メルマガ等でおしら
せします。
現在決まっている日程は以下の通りです。(詳細は変更の可能性あります)
●日 程:2015年8月24(月)~31日(月)の8日間
●訪問先:アベノアエコミュージアム(以前のフルミ・トレロンエコミュゼ)と
ボア ド リュックエコミュージアム(以前のベルギーサントル地区エコミュゼ)
○申込み締切  :2ヶ月前、旅費振込は1ヶ月前
○取扱い旅行会社:JTB西日本
○発着空港   :関西空港
○参加人員   :15~20人程度まで(申込順)
フランスベルギー国境にほぼ隣接する2つのエコミュゼを訪問しようと思います。
ベルギーの方は世界遺産にも登録されています。
ブリュッセルから入ってパリから帰る予定です。金額は40万円前後で35万円位を
目指しています。ユーロ為替変動次第のところもあります。
エコミュージアム見学には通訳を付け、現地では質疑の時間を作る予定です。
旅行に先立ち多くのご参加をいただくことが第一ですが、事前に質問項目や研修
内容を伝えておくことが大事です。それによって先方へのコーディネート額も影
響します。行かれない人もこんなことを聞いてきてほしいと言うことを教えてく
ださい。
考えられる質問は設立の経緯と変化の経緯、住民の関わり、長期間続いているの
で、地域社会への貢献の内容、組織、運営状況、観光との連携、イタリアエコミ
ュージアムのチェックリストによるチェック、環境と人間の関わりに対する認識
等があると思います。定義等の概論は事前の勉強でできるとしてなるべく具体的
な事柄について聞けたら良いと考えています。活動している方からすれば資金調
達や入場料等自己資金づくりも興味あるかも知れません。実際には全部答えてく
れる訳ではありませんがどんなことに関心のある集団かを知らせておくのは良い
ことと思います。
活動されている方、研究している方にもお声掛けください。申し込み締め切りは
2ヶ月前、旅費振込は1ヶ月前になると思います。旅行会社は JTB西日本に依
頼しています。発着は関西空港にしています。純粋な観光気分の参加の方は満足
度が低く(金額に対して)なるかもしれませんので、エコミュージアムに興味の
ある方の参加を望んでいます。15~20人くらいが適当と思います。現地の移動は
バスになります。
なお、現地で個人的に滞在を延期することは可能です。催行が決まりましたら、
個別に旅行会社(JTB西日本)と交渉します。 同じ航空会社利用での帰国が条件
になると思います。現地集合、現地解散の方はとりません。
(吉兼秀夫)
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2.被災地とエコミュージアム
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NPO法人朝日町エコミュージアム協会副理事長
安藤竜二(蜜ロウソク製造業)
震災後、ガソリンが手に入り、はじめてボランティアに駆けつけた被災地が石
巻だった。町じゅうがグチャグチャ。 憧れの『サイボーグ009』の像達も泥まみ
れで倒されていた。 雪の降る中、専修大学5号棟前のボランティアセンターで即
席のチームを作り、がれき撤去にたずねたお宅は、奥さん一人を残して家族全員
が津波で流されていた。悲惨以外のなにものでもなく、全員ただ黙々と作業をこ
なした。よそ者の私でさえトラウマになりそうな光景なのに、なにもかも失った
被災者の喪失感は計り知れない。
その後、縁があって市内の被災地2ヵ所と関わらせていただいた。
一ヵ所は市北部の雄勝町。ここは地元で採れる雄勝石を材料にした硯(すずり)
や、東京駅の屋根材にも使われているスレートの一大生産地だ。海沿いに広がる
この町は9割の建物が流失し、4300人のうち250人が犠牲となった。
仮設住宅は 500人分しか設置できなかったためほとんどの住民は町外にバラバラ
に避難している。40人いた硯職人も二人が亡くなり、ほとんどの方が町外に避難
している。道具も家とともに流されたため、現在は仮設共同作業場で数人の方が
かろうじて仕事を進めている状況だ。さらに雄勝石の採掘業者も撤退し材料入手
も困難となっている。私はここで二度、雄勝石の燭台づくりに合わせて蜜ロウソ
ク作りの体験会を開かせていただいた。 蜜蝋の黄色に雄勝石の優しい黒はとても
相性がいいのだ。
もう一ヵ所は、住吉町にある石巻惣鎮守の大島神社。川縁には石巻の名前の由
来となった巻石がある。ここは、社殿の被害は免れたものの、これからかさ上げ
される堤防工事により、昔の面影はまもなく無くなってしまう。東北神道青年会
の主催する思い出作りのイベントに招かれ、みんなの作った蜜ロウソクで境内を
優しい灯りで包むことができた。
以来、ずーっと、エコミュージアムは被災地に寄与できないだろうかと考えて
いた。そして先月、同じ思いを持つ日本エコミュージアム研究会の吉兼会長の働
きかけで、石巻市の観光シンポジウムに参加させていただいた。奇しくも会場は
ボラセンのあった専修大学5号棟。
吉兼氏の観光の動向とエコミュージアムの概要を伝える講演の後、私から朝日
町エコミュージアムの具体的な活動についてお話させていただいた。漠然とだが、
高度経済成長期で傷ついた山村「朝日町」のアイデンティティーを、エコミュー
ジアムが取り戻してくれたように、震災で傷ついた被災地にもエコミュージアム
は有効なのではと考えている。
それには、朝日町エコミュージアムが大切にしているキーワード「住民ひとり
一人が学芸員」の方法が大切なポイントとなる。地域の様々な宝(自然・文化・
歴史・産業などの有形無形の資源)について、専門学芸員や教育者が住民に教え
るのではなく、その宝に関わる住民の皆さんに教わり、文章化や催しなど博物館
的な調査・普及活動を共に行い、地域住民みんなで共有するのである。教育委員
会や大学などが培っていた学術的なこととあいまって、宝はさらに魅力あるもの
に磨かれる。さらに、明らかにされた宝を訪れる観光者への説明も、有料で住民
の皆さんにお願いする。朝日町では25年の間に、様々な宝について関わる多くの
地域住民とともに明らかにし、15冊の小冊子を作ることができた。その小冊子を
開けばどれも朝日町民が話しかけてくる。
これらの参加型の取り組みにより、吉兼氏も仰っていた被災地の記憶の井戸を
掘ることになり、様々な宝は、確実に住民の心の財産になるとともに、地域らし
さを失わずに未来の町づくりへ活かせることになる。それは観光者にとっての
「魅力」にもなるし、なにより、震災で希薄となった住民と地域の絆を強くし、
住民流失を防ぐ可能性もある。
シンポジウム後半のワークショップでは、専修大学の先生の指導で「オリジナ
ル街マップを考えよう」と、住民の皆さんがグループに分かれてKJ法による作業
が行われたのだが、大切に心にしまっていた記憶が、地図にみごとに散りばめら
れた。参加者の皆さんの活き活きとした作業風景はとても印象的だった。
アイデンティティーを失わず、地域らしさが活かされる町づくりのために、こ
つこつとしたエコミュージアムの活動は、きっと少しずつしっかりと被災地の力
になれることを信じている。                      (安藤竜二)
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3.事務局からのお願い
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海外研修旅行について、「日程と行先」だけですが、皆さんのご予定のため、
お知り合いにも広報下さい。詳細は、決まり次第、メルマガ等でお知らせしま
す。
≪以下は毎号同じです。≫
▼ 会員の皆さん、それぞれの地域での活動の「ひとコマ」をご紹介下さい。
また、掲載された記事に対してのご意見、ご質問もお寄せ下さい。
メルマガを待って読んでいただけるよう内容を充実させるのも会員お一人お一
人のご参加が決め手です。ご投稿いただきたい記事として
1.ご自分の地域、あるいは訪問した「各地の活動から」
2.皆に知らせたい「行事予定のご案内・参加募集」
3.過去に訪れた場所への「気になる地域へのお伺い(質問)」
4.今後「会に望む活動」等など、特にテーマを絞りませんのでどしどし投稿
下さい。
▼ 会員外も含む、エコミュージアムに関心をお持ちの方々の情報交換の場と
してのメーリングリスト[エコミュージアムML]があります。
会員外も参加いただけますので、お知り合いにもご紹介ください。
1.お名前(本名)
2.E-mailアドレス
3.お住まいの都道府県名を事務局までお知らせください。
(このメルマガへは返信しないでください。)
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日本エコミュージアム研究会   Japan Ecomuseological Society
事務局:
〒516-2102 三重県度会郡度会町大野木1968-3 中野喜吉 気付
E-mail:   jimu@jecoms.jp
ホームページ http://www.jecoms.jp
口座名義:日本エコミュージアム研究会
郵便振替:00170-0-74380  (会費振込先はこちら)
銀行口座:ゆうちょ銀行 店名:二二八(ニニハチ)普通預金 1624950
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エコミュージアム研修旅行(コース概要)

ブリュッセル・パリ8日間 (訪問相手先の都合等で変更される場合あります。)
出発 2015/8/24(月)08:15集合
帰国 2015/8/31(月)07:20着
1 8/24(日本時間)
関西空港10:15発 LH741便フランクフルトへ約12時間
乗り継ぎしてブリュッセルへ約1時間
ブリュッセル泊
2 8/24(現地時間、日本では8/25)
ブリュッセル~ラ・ルーヴィエル 専用車で55km
エコミュージアム視察 Ecomusee du bois du luc
(ラ・ルーヴィエル泊)
3 8/25(現地時間)
ラ・ルーヴィエル
エコミュージアム視察 Ecomusee du Viloin
(ラ・ルーヴィエル泊)
4 8/26(現地時間)
ラ・ルーヴィエル14:30~16:30フルミエ
エコミュージアム視察 Ecomusee du Textile (フルミエ)
(フルミエ泊)
5 8/27(現地時間)
フルミエ10:00~11:30パリ 専用車210Km
エコミュージアム視察 Ecomusee du verre(トレロン)
(パリ泊)
6 8/28(現地時間)
パリ
終日フリータイム
(パリ泊)
7 8/29(現地時間、日本時間8/30))
パリ発フランクフルト乗り継ぎ
フランクフルト発 13:30 LH740
(機中泊)
8 8/31(日本時間)
関西空港 07:20着
●参加者名簿のまとめ
6月24日(水)まで
滞在中の視察地移動は専用車(バス)
●時差は日本時間マイナス7=中央ヨーロッパ時間(サマータイム)
(例:日本時間 07:00 JST=0:00 CET)
●電話
日本へかける
国際電話認識番号:00
日本の国番号:81
相手の番号(頭の0をとって市外局番号から)
(例:東京03-3456-7890なら00-81-3-3456-7890)
パリにかける
電話会社の番号:0033(例はNTTコミュニケーションズ)
国際電話認識番:010
フランスの国番号:33
相手の番号(頭の0をとって市外局番号から)
(例:パリの01-2345-7890なら0033-010-33-1-2345-6789

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