日本エコミュージアム研究会

Japan Eomuseological Society

 
 

Archive for 6 月, 2015

メルマガ92号

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日本エコミュージアム研究会メールマガジン 92号   <2015.04.15>
発行人:吉兼秀夫  編集:中野喜吉
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桜の花が散った地域に、予想外の寒さが訪れています。東北の災害の日からも
う4年目を迎えてしまいました。再興へのそれぞれの努力に応援したいです。
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【目次】
1.全国大会in石巻の日程
2.エッセイ「記憶」と「衝撃」
3.事務局からのお知らせとお願い
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1.全国大会in石巻の日程
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今年度は、宮城県石巻市です。例年のような地元の方の盛大なお迎えの形式で
はなく、研究会主催の地域を訪ねて自分たちの目で地域を深く見つめる旅のよ
うな形に近いかもしれません。会場を確保しました。
日程:2015/11/14(土)~11/15(日)
場所:宮城県石巻市
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2.エッセイ「記憶」と「衝撃」
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桃山学院大学経営学部:井上 敏
今年は終戦70年という節目の年。そして阪神大震災からも20年が経ったこと
になる。テレビや新聞などの特集でも戦争遺産や東日本大震災の震災遺構の保
存問題などが取り上げられ、少しでも私たちの記憶の風化を食い止めようとい
う動きが報道されている。
私は大学で博物館学芸員課程のコースの責任者として教鞭を取っているが、毎
年学生さんは巣立っていき、入れ替わっていく。現在の彼らの年齢を考えれば
当たり前だが、今では阪神大震災の記憶を実体験として持つ学生さんはほとん
どいないに等しいのだ。それが関西の学生さんであったとしても。
博物館学芸員課程の私の講義ではエコミュージアムの話をし、その中で記憶
の保存の話もするが、それ以外にも世界遺産、産業遺産、戦争遺産…などあげ
ればきりがないほどのテーマを話す。それなりに勉強して学生さんに講義して
いるつもりだが、一方で正直なところ、自分はどこまで戦争のことをわかって
いるのか、と振り返るようにもなってきた。
その振り返るきっかけとなったのは昨年行われた全国の大学学芸員課程担当者
が集まる会合の為、沖縄に出張した際、沖縄の戦跡めぐりともいえる見学コー
スに参加した時のことだった。歴史は好きだが、戦争、特に第二次世界大戦、
太平洋戦争のあたりというのは敬遠、特に悲惨さが多く語られるところになる
と目をそむけていたというのは否定できない。そういう私が沖縄の悲惨な戦跡、
とくに「ひめゆりの塔」の資料館を見たときの衝撃は言葉にできなかった。
「ひめゆりの塔」に関する知識は多少あったつもりだったが、あの館で語ら
れている少女一人一人のことが書かれているパネルを見た時、自分は何も知ら
ない人間であることを思い知らされた。彼女たちの人生に向き合い、そこに掛
けられているパネルを読んでいた時の胸の苦しさは言葉にできなかった。この
若さで戦場に放り出され、すぐ目の前にアメリカ軍が迫っている中で各自で逃
げろ、と言われた彼女たちに何ができたのか、やり場のない怒りがふつふつと
起きてきたのを覚えている。私は戦後の生まれだから、戦争の記憶というのは
当然全くなく、私の親の世代ですら戦争中の記憶はない。だが、この資料館の
パネルと向き合って、どのようなお題目を唱えられた戦争であれ、戦争という
ものはこのような悲惨な状態を招くことだけは日本人全員が肝に銘じておかな
ければならないことに思えた。
館の壁にかかっている、死んでいった一人一人のことが書かれているあのパ
ネル、そしてそれを読んでいて襲われた衝撃…。少し時間を置いて考えてみる
とエコミュージアムでいう記憶の保存の意味はあのような経験にあるのではな
いか、と思った。記憶を直接持っていない人間にも衝撃を与え、記憶がつなが
れていく…、それが繰り返されていき、個人のものだけでない地域の記憶とな
るのだろうか。改めてそう考えさせられた経験だった。
(井上 敏)
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3.事務局からのお願い
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海外研修旅行について、「日程と行先」は前号でお知らせの通り2015年8月24
(月)~31日(月)の8日間、アベノアエコミュージアム(以前のフルミ・ト
レロンエコミュゼ)とボア ド リュックエコミュージアム(以前のベルギーサ
ントル地区エコミュゼ)。参加者数の把握のため参加を予定されます方は、早
目に事務局までご連絡ください。
現時点で参加確定でなくとも、心づもりのある方もその由ご連絡下さい。
≪以下は毎号同じです。≫
▼ 会員の皆さん、それぞれの地域での活動の「ひとコマ」をご紹介下さい。
また、掲載された記事に対してのご意見、ご質問もお寄せ下さい。
メルマガを待って読んでいただけるよう内容を充実させるのも会員お一人お一
人のご参加が決め手です。ご投稿いただきたい記事として
1.ご自分の地域、あるいは訪問した「各地の活動から」
2.皆に知らせたい「行事予定のご案内・参加募集」
3.過去に訪れた場所への「気になる地域へのお伺い(質問)」
4.今後「会に望む活動」等など、特にテーマを絞りませんのでどしどし投稿
下さい。
▼ 会員外も含む、エコミュージアムに関心をお持ちの方々の情報交換の場と
してのメーリングリスト[エコミュージアムML]があります。
会員外も参加いただけますので、お知り合いにもご紹介ください。
1.お名前(本名)
2.E-mailアドレス
3.お住まいの都道府県名を事務局までお知らせください。
(このメルマガへは返信しないでください。)
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日本エコミュージアム研究会   Japan Ecomuseological Society
事務局:
〒516-2102 三重県度会郡度会町大野木1968-3 中野喜吉 気付
E-mail:   jimu@jecoms.jp
ホームページ http://www.jecoms.jp
口座名義:日本エコミュージアム研究会
郵便振替:00170-0-74380  (会費振込先はこちら)
銀行口座:ゆうちょ銀行 店名:二二八(ニニハチ)普通預金 1624950
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