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日本エコミュージアム研究会メールマガジン 198号 <2025.06.03>
発行人:馬場憲一 編集:中野喜吉
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【目次】
1. 2025年度総会報告
2.エコミュージアム雑記「エコミュージアムは誰のため?」
3.事務局からのおしらせ
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1.2025年度総会報告
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会長 馬場憲一
本会の2025年度総会が5月18日にオンライン(zoom)で開催されましたので、
以下の通り報告をさせていただきます。
1.会務報告
・会員状況及び会費納入状況について、2024年度の入会者10名、退会者1名で、
2025年5月18日現在、正会員数は83名(個人会員78人、団体会員5団体)となり、
2023年度より10名の会員増となった。
・会費の入金は2023年度47件、2024年度49件(個人会員44件、団体会員5件)と
いう状況であった。
・理事会をzoomで 2024/4/13, 5/19, 7/22, 9/15, 11/20, 2025/3/10に6回開催
した。
・メルマガについては185号~195号を発行し、機関誌30号については年度内に
発行することができた。
・事業は、総会、研究大会をいずれもオンラインで開催し、全国大会は対面で
開催した。会員名簿作成事業を2023年度に引き続き行なった。
2. 2024年度事業報告・決算案(議案1)について
・事務局長と担当理事からパワーポイントにより2024年度事業報告・決算案の
説明がなされ、決算書については監事から間違いない旨の報告が行われた。
・議長から質疑を求めるが、特段発言もなく採決の結果、承認された。
3. 2025年度事業計画・予算案(議案2)について
・事務局長と担当理事より、パワーポイントにもとづき2025年度事業計画と予
算案について説明があり、特に予算案については会費納入状況が悪く厳しい
財政状況にあることが報告された。
・議長から2025年度事業計画・予算案(議案2)について意見・質疑を求めるが、
特段発言もなく採決の結果、承認された。
【※】承認された2025年度事業計画は下記の通りです。
記
(1)研究大会の開催(担当:井上敏理事)
・2025年7月19日(土)午後 zoomによるオンライン開催します。現在、発表
者を募集中です(応募締切りは2025年6月16日(月)21時まで)。詳細は5月7日に
送信したメルマガ 197号を参照してください。
(2)全国大会の開催(担当:吉兼秀夫理事)
・2025年11月8日(土)~9日(日) 兵庫県で対面方式で開催。
・今年度全国大会は「丹波地域恐竜化石フィールドミュージアム」を展開する
兵庫県丹波市、丹波篠山市にて11月8~9日開催予定です。
・2006年丹波竜の化石の発見を機に恐竜化石だけでなく、丹波地域の人たちの
暮らしの風景も、外に広がる展示物と考えて、全部まとめて博物館として楽
しむ2つのコアサイト、4つのサテライトサイトを含む「丹波地域恐竜化石
フィールドミュージアム」を展開しています。今年リニューアルする「たん
ば恐竜博物館」(旧丹波竜化石工房ちーたんの館)見学をはじめ丹波竜を生
かした取り組みを、現地を巡りながら見学したいと思います。なお、丹波篠
山市は地域全体を宿泊施設と考える分散型宿泊施設の先進地でもあります。
詳細は追って御報告します。
(3)機関誌の編集刊行(担当:淺野敏久理事、吉兼秀夫理事)
・第31号を編集・刊行する
(4)会員「自己紹介名簿」作成(担当:馬場憲一会長)
・本事業は2023年度から取り組んだ事業であるが、新入会員もおり、
また新年度を迎え所属なども変更になった会員もいるので、2025年度も継続
し実施していきます。
(5)役員(会長・理事)選挙の実施(担当:選挙管理委員会)
・2025年度で役員の任期は終了するので、年度内に役員改選の選挙を実施しま
す。
以上が2025年度の総会報告です。
本会は昨年度で設立30周年を迎えましたが、財政問題などの課題も生じてきて
います。このためこれまで以上に会員一人一人の積極的な参加による会運営が
求められていますので、今年度も引き続きよろしくお願いいたします。
以上 (馬場)
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2.エコミュージアム雑記「エコミュージアムは誰のため?」
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大原一興
最近聞いたふたつの事例から思うことがある。
ひとつは、市民の参加の様々な文化活動を展開しているH美術館での話し。市民
の利用ニーズが多々ある中で、近年では受験生を含む若者の居場所が地域に不
足していて、ミュージアムもそのひとつとして期待がふくらんでいる。ミュー
ジアム側から若者の参加できるワークショップなどを企画し、多くのティ-ン
エイジャーがミュージアムに来ては活動に参加してなじみの関係になり、浜口
さんの言う「放課後博物館」化が進んできているようで、素晴らしいと思って
いる。最近は、そこで宿題をしたり創作をきっかけに友人とのコミュニケーシ
ョンをとったり居場所としての利用も増えてきた。これは学生だけでなくコワ
ーキングスペースの利用にもつながる。もちろん図書館でも同様のニーズが高
まっている。そこで、館としては居場所利用のスペースを提供してきたところ 、
友の会やら市民から、ミュージアムは文化度の高いところだから、そのような
普段着の学生が日常的に利用することは遠慮してほしいという声が上がって、
結局控えめにしか若者のニーズには応えていない。未だに美術館に来る人の階
層性(Pブルデューの言う美術愛好家たちによるディスタンクシオン)が、「お
高くとまる」高級志向が拭えていない存在なのだと、今もって残念に思う。
もうひとつはエコミュージアムとしても地域のボランティア団体の活動によ
って展開されてきたA町の歴史記念館が、歴史的建築物が復元されることにより
リニューアルされこの8月に一般公開される。これまで、公害や労働争議の負
の歴史を多々持つ地域で、町の観光施設や環境省の環境学習施設、操業時栄え
た企業の多くの建築遺構が保存展示もされてきたが、町の公共施設を借りて地
元の市民団体が活動してきたエコミュージアムの拠点施設が、数年前企業の持
ち物になり、今回移転するかたちで新たな歴史記念館で再出発する。エコミュ
ージアムの手作りの展示品、市民ボランティアによる現地解説がすばらしかっ
たが、数十年経つとやはり人的にも資金的にも運営が困難となり、今回華々し
い過去に焦点をあてたリニューアルは企業の記念事業でもある。かつての、市
民が手作りした模型や撮りためた写真や資料の展示などは、意識的に引退して
もらい、洗練された展示になったという(見ていないのだが設計者から聞いた
話)。労働者の生活や庶民の生活、公害の影響や廃村、強制労働させられた外
国人の生活など、今回扱われなくなった展示も多いと聞く。役宅はじめ当時の
栄華や高級な文化を見せる「きれいな展示」が来訪者を迎え、口当たりの良い
文化的価値を堪能するための場所になるという。
文化施設の一種のジェントリフィケーションである。博物館法の改正により、
博物館の設置主体が社会教育的位置づけから、文化財を活用した観光などの部
署への移行を推進するようになった、大きな社会的流れの中で、高くお金を払
ってまで見る価値のある高級文化とそれを愛でる階層の人たちの自己満足とそ
の増幅が進んできているのかもしれない。地域住民や一般市民の生活文化を表
現するエコミュージアムからは、博物館が遠のいていってしまうのではないか
と危惧する。文化は一部の上級国民のためにあるのではないということをエコ
ミュージアムはもっとも良く知っているはずだ。 (大原)
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3.事務局からのおしらせ
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≪以下は毎号同じです。≫
▼会員の皆さん、それぞれの持ち場での活動の「ひとコマ」をご紹介下さい。
また、掲載された記事に対してのご意見、ご質問もお寄せ下さい。
メルマガを待って読んでいただけるよう内容を充実させるのも会員お一人お一
人のご参加が決め手です。ご投稿いただきたい記事として
1.ご自分の地域、あるいは訪問した「各地の活動から」
2.皆に知らせたい「行事予定のご案内・参加募集」
3.過去に訪れた場所への「気になる地域へのお伺い(質問)」
4.今後「会に望む活動」等など、特にテーマを絞りませんのでどしどし投稿
下さい。
▼ 会員外も含む、エコミュージアムに関心をお持ちの方々の情報交換の場と
してのメーリングリスト[エコミュージアムML]があります。
会員外も参加いただけますので、お知り合いにもご紹介ください。
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