日本エコミュージアム研究会

Japan Eomuseological Society

 
 

メルマガ178号

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
日本エコミュージアム研究会メールマガジン   178号   <2023.9.5>
発行人:大原一興  編集:中野喜吉
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

コロナ-19での引きこもりから今回、関東例会にあわせて東京にに出かけまし
たが、マスク着用の人の割合が、伊勢、名古屋、東京とだんだんに少なくなっ
ているのを感じました。情報のオンライン化で全国画一的な動きもある中、人
の行動は、又相応のスピードがあるもんだなどと思いました。外出後の消毒等
には、気を抜かず過ごしたいと思います。(中野)

========================================
【目次】
1. 2023関東例会 フォーラム「生態博物館と文化資源の保存活用」報告
2. 事務局からのおしらせ
========================================

■■■================================================================
1. 2023関東例会 フォーラム「生態博物館と文化資源の保存活用」報告
================================================================□□□

大山由美子

2019年に、貴州地捫トン族人文生態博物館を個人的に訪問しました。
フランスで誕生したエコミュージアムが、少数民族の文化、暮らしを保護し継
続していくことへ寄与しているのか、また、地捫は中国発の民営であることに
興味を持ったことが動機です。
(*機関誌26号、28号に研究報告を掲載しています。)

そして今年8月9日に、東京藝術大学上野キャンパスにてフォーラム「生態博
物館と文化資源の保存活用」を開催しましたので概要を報告します。
主催は東京藝術大学未来創造継承センターで、JECOMSは共催という形ですが、
当日はJECOMS会員はじめ一般の方、藝大教員・学生など、約50名の参加を得ま
した。
フォーラム前半は、中国復旦大学から杜 暁帆教授(国土と文化資源研究センタ
ー長)をお招きして、「中国における生態博物館の探索と実践 ー貴州を中心
に」の基調講演です。
後半は、東京藝大の毛利嘉孝教授(未来創造継承センター・センター長)、JEC
OMSの大原一興会長(横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院・教授)、
杜先生にも参加頂き「生態博物館と文化資源の保存・活用-中国の実践から何
を学ぶか-」の意見交換を行いました。

当初、この関東例会は、地捫の任館長が訪日される予定で企画しましたが、貴
州全体の生態博物館の研修を地捫で行うため来日が難しくなり、急遽、一緒に
訪日予定であった杜先生にお願いした次第です。
私はエコミュージアムの理念でもある「社会の発展へ寄与する博物館、社会と
ともに成長する博物館」の実態に関心があり、フランス、ポルトガル、ノルウ
ェーの様々なエコミュージアムを訪れました。フランス国内でも運営形態や地
域の特性による違いがあり、一緒に訪れたスタッフも三者三様の印象を持ちま
した。さらに、国によって、社会環境も異なり、エコミュージアムを受け入れ
た背景、成り立ちも違います。
今回、杜先生からは中国の生態博物館の設立経緯や事例を伺い、ますます、多
様な博物館を生みだす哲学を持つのがエコミュージアムであることを実感しま
した。

杜先生の基調講演は、中国生態博物館建設の経緯、4つの実践と事例、抱える問
題と反省などのお話しでした。
1995年に中国博物館学会はノルウェーの専門家を招き、貴州省の少数民族村で
の調査を始め、1998年10月に梭戛生態博物館が正式に開館しました。そして、
2000年に行われたセミナーで「六枝原則」(機関誌28号にも掲載)が形成され、
貴州生態博物館建設の初期の理念や作業指針となりました。
事例では、次の4箇所のご紹介がありました。
・梭戛生態博物館(12の長角苗村落で構成される文化コミュニティ)
・隆里古城生態博物館(明代の軍事拠点から発展してきた漢族文化コミュニテ
ィ)
・地扪トン族人文生態博物館(近20年間の村の変移の記録者による)
・楼上生態博物館(遺産地コミュニティ教育の模索と実践)
そして、抱える問題では、1989年代以降から現代に至るまで急速な都市化が進
む中で、「人の流失、文化的要素の解体、価値の喪失」「郷土文化の世代間継
承規律の崩壊」「効果的参加型メカニズム、持続可能なコミュニティ開発の道
筋を確立することの難しさ」などが挙げられ、今後の対策として、「運営管理
の改善と科学的な発展モデルを確立」「地域社会の参加促進が求められる」こ
とをお話し頂きました。

後半のフォーラムでは、まず大原会長から日本のエコミュージアムの現状につ
いて報告され、社会学者の毛利先生からは地域と芸術祭などの変遷とエコミュ
ージアムの観点などのお話しを頂きました。
参加者からも意見を頂き、最後に大原会長から総括として「いま、エコミュー
ジアムに必要なのは、エゴの王国ではなく、関係性の上に成り立つ自主独立で
ある」という提言でした。
日本でのエコミュージアムづくりは、住民主体を掲げて展開されていきました。
ある意味、地域が主体に運営していく点では、自主独立をめざしていたように
思います。混沌とした現代社会において、何を保存、継承していくかはエコミ
ュージアムの活動が示唆していく必要性を感じます。
詳しくは、今年度発行の機関誌に報告いたしますので、ご高覧下さい。
(大山由美子)

■■■================================================================
2. 事務局からのおしらせ
================================================================□□□

前号でもお知らせしましたように11月12日(日曜日)平塚市・金目エコミュ
ージアムを今年度の全国大会会場として計画されています。皆さんのご予定表
にお加え下さい。

会員お一人一人の行動が、会の活動を進めます。行事への積極的なご参加を
お待ちしています。
また、このメルマガにもご投稿をお待ちしています。

≪以下は毎号同じです。≫
▼会員の皆さん、それぞれの持ち場での活動の「ひとコマ」をご紹介下さい。
また、掲載された記事に対してのご意見、ご質問もお寄せ下さい。
メルマガを待って読んでいただけるよう内容を充実させるのも会員お一人お一
人のご参加が決め手です。ご投稿いただきたい記事として

1.ご自分の地域、あるいは訪問した「各地の活動から」
2.皆に知らせたい「行事予定のご案内・参加募集」
3.過去に訪れた場所への「気になる地域へのお伺い(質問)」
4.今後「会に望む活動」等など、特にテーマを絞りませんのでどしどし投稿
下さい。

▼ 会員外も含む、エコミュージアムに関心をお持ちの方々の情報交換の場と
してのメーリングリスト[エコミュージアムML]があります。
会員外も参加いただけますので、お知り合いにもご紹介ください。
1.お名前(本名)
2.E-mailアドレス
3.お住まいの都道府県名を事務局までお知らせください。

Comments are closed.

サイト内の検索

お知らせ

▲▲▲メルマガは会員宛に送信しています。アドレス変更等の連絡いただけずに、配信不可の方いらっしゃいます!至急、アドレスご確認ください。 ▲▲▲メルマガは会員宛配信後、ここで2~3カ月後の公開です。会員には随時送信。

最近の更新記録

カテゴリー

アーカイブ