日本エコミュージアム研究会

Japan Eomuseological Society

 
 

メルマガ89号

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日本エコミュージアム研究会メールマガジン 89号   <2015.01.15>
発行人:吉兼秀夫  編集:中野喜吉
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新年あけましておめでとうございます。
「初詣」という正月の行事、皆さんはいかがされたでしょうか。当地伊勢神宮
は、ご遷宮から二度目の正月でまだ木の香の感じられる様な新しい社殿ですが、
各地の大雪が出足をくじいたのか昨年のような混雑はありませんでした。それ
ぞれの新しい出発の時として、前進したいと思います。

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【目次】
1.「第30回水郷水都全国会議」に参加して
2.事務局からのお知らせとお願い

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1.「第30回水郷水都全国会議」に参加して
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淺野敏久
2014年12月6日、7日の両日に、第30回水郷水都全国会議が「みんながかかわる
里山・里海」をテーマとして、東広島市の広島大学他を会場に開催されました。
大会には、全国で水環境の保全活動や水を大切にした地域づくりに取り組む市民
・行政・研究者・事業者など142人が参加しました。水郷水都全国会議は、1984年
に琵琶湖で世界湖沼会議が開かれたのを契機に、それに関わった市民団体や研究
者等が翌年から継続して開催してきたものです。水資源・水環境と社会に関する
さまざまな問題に対して、市民・行政・科学者それぞれの立場から議論し、情報
の共有を図ろうとしています。

開催地である西条盆地・賀茂台地は、多数のため池を有し、赤瓦の民家と水田、
里山のコントラストが美しい農村景観が広がり、龍王山系からの地下水を活かし
た酒造りにより、日本三大銘醸地の一つと称されます。特に近年は地元の酒造会
社が主導して、一升一円の基金を原資とする水源地の森を守る市民活動を行って
います。大会では、当地の水環境に関わる諸活動の報告をもとに、活動における
水質や生物多様性に対する意識、活動を発展・継続するための財源、大きな対立
軸はなくてもじわじわと環境劣化が進む地域での市民活動のあり方など、これか
らの市民活動の課題について話し合いました。

近年、山と海とのつながりに関心が高まり、マネー資本主義に対する里山資本
主義が提唱されています。このような自然と社会の新たな関係を模索する動きが
ある一方、一時期抑えられていた公共事業が活発化する動きもみられます。ある
地域では産・官・学・民の連携や協働による環境づくりが志向され、また、ある
地域では中央政府の思惑と、土地の自然とともに生きてきた地域住民の思いが鋭
く対立することがあります。大会2日目は、このような多様な関わり方があること
を承知したうえで、全国各地の報告をもとに、「里海(湖)の環境再生」、「治
山・治水・水資源:開発と住民自治」、「伝える・つなげる:環境教育・市民活
動」の3つのテーマを議論しました。

全体会と分科会を通して注目されたことは、30年にわたる水郷水都活動の中で、
地域の自然環境および社会環境が変わってきたこと、それにともない活動の対象
や進め方も変わってきたこと、そして、それは地域によってさまざまであること
です。そのような多様性を意識した中で、国内外の市民活動の連携を図りながら、
市民主体の環境保全・地域づくりを模索しなければなりません。そのためには、
身近な環境の劣化に不感症・無関心になることなく、市民、研究者、行政、企業
などさまざまな立場を超えて、「みんながかかわる」場をつくっていくことが求
められます。

しかし、一方で環境に関わる問題は、地域の中だけで解決できるような問題で
はなく、グローバルな、あるいはナショナルな構造的問題として存在しています。
社会のあり方そのものを問い直し、変革していかなければ解決できないことの方
がむしろ多いといえます。それに寄与できる市民運動の新基軸を模索すべきで、
時には対立の先にその活路を見出すことも必要です。運動をいかに次世代につな
げていくのか、息の長い活動の進め方も真摯に考えなければなりません。

このようなことを、水郷水都全国会議の30年目の節目の大会では話し合いまし
た。 以上は、大会宣言をもとに表現を多少改めたものです。このような確認や
アピールを毎回の大会で行っています。それにどんな意味があるのか、さまざま
な意見があると思います。ただ、JECOMSの活動を振り返ったときに、JECOMSは何
をどのように、世に発信すべきなのでしょうか。        (淺野敏久)

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2.事務局からのお知らせとお願い
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今年の全国大会は、東北・石巻で皆さんとお会いしたいと思います。詳細決
まり次第お知らせします。

≪以下は毎号同じです。≫
▼ 会員の皆さん、それぞれの地域での活動の「ひとコマ」をご紹介下さい。
また、掲載された記事に対してのご意見、ご質問もお寄せ下さい。
メルマガを待って読んでいただけるよう内容を充実させるのも会員お一人お一
人のご参加が決め手です。ご投稿いただきたい記事として

1.ご自分の地域、あるいは訪問した「各地の活動から」
2.皆に知らせたい「行事予定のご案内・参加募集」
3.過去に訪れた場所への「気になる地域へのお伺い(質問)」
4.今後「会に望む活動」等など、特にテーマを絞りませんのでどしどし投稿
下さい。

▼ 会員外も含む、エコミュージアムに関心をお持ちの方々の情報交換の場と
してのメーリングリスト[エコミュージアムML]があります。
会員外も参加いただけますので、お知り合いにもご紹介ください。
1.お名前(本名)
2.E-mailアドレス
3.お住まいの都道府県名を事務局までお知らせください。

(このメルマガへは返信しないでください。)
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日本エコミュージアム研究会   Japan Ecomuseological Society
事務局:
〒516-2102 三重県度会郡度会町大野木1968-3 中野喜吉 気付
E-mail:   jimu@jecoms.jp
ホームページ http://www.jecoms.jp
口座名義:日本エコミュージアム研究会
郵便振替:00170-0-74380  (会費振込先はこちら)
銀行口座:ゆうちょ銀行 店名:二二八(ニニハチ)普通預金 1624950
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